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医薬品販売とプロモーション:マーケティング現場からの示唆

医薬品の販売とプロモーションは、常に変化の渦中にあります。
新しい治療法が登場し、人々の健康への意識が高まる一方で、その情報をいかに正確に、そして倫理的に届けるかという課題は、ますます重要性を増しています。

本記事では、製薬業界で30年にわたり営業とマーケティングの双方を経験してきた筆者、川嶋雅也の視点から、この複雑な世界の「今」を読み解きます。
MRとして現場の最前線で医師と向き合い、その後マーケティング部門で戦略立案に携わったからこそ見える、理想と現実、そしてその間にある“見えない壁”。
それらを乗り越えるためのヒントを、実体験を交えながらお伝えできればと思います。

営業とマーケティング、それぞれの立場からの声に耳を傾け、医薬品が本当に必要とされる人へ届くための道筋を一緒に考えていきましょう。

医薬品販売の現場:MRのリアル

医薬品が患者さんの手元に届くまでには、多くの人の介在があります。
中でも、医療現場の最前線で情報提供活動を行うMR(医薬情報担当者)の役割は、いつの時代も変わらず重要です。
しかし、その具体的な活動内容や置かれている状況は、時代とともに大きく変化してきました。

MRの役割と変遷:1980年代から現在まで

私が製薬業界に足を踏み入れた1980年代後半、MRは「プロパー」と呼ばれ、医師との人間関係構築に重きを置いた活動が主流でした。
当時はまだ、医薬品に関する情報も限られており、MRが持参するパンフレットや説明が、医師にとって重要な情報源の一つだったのです。

しかし、1990年代に入り、医薬品の適正使用推進の気運が高まるとともに、MRの資質が問われるようになります。
1997年にはMR認定制度が導入され、専門知識と倫理観を備えた情報提供活動が求められるようになりました。

2000年代以降は、大型生活習慣病薬の登場による競争激化、そしてディオバン事件に代表されるような企業活動の透明性への要求の高まりなど、MRを取り巻く環境はさらに厳しさを増します。
医師への接待が原則禁止となり、情報提供のあり方も大きく見直されました。

そして現在、MRの数はピーク時から減少し、デジタル技術の進展やコロナ禍を経て、医療機関への訪問自体が難しくなるケースも増えています。
一方で、がんや希少疾患といったスペシャリティ領域の医薬品が増え、より高度で専門的な情報提供能力がMRに求められるようになっています。

MRの役割の主な変化

年代主な役割・特徴
1980年代プロパーと呼ばれ、医師との人間関係構築を重視
1990年代MR認定制度導入、専門知識と倫理観に基づく情報提供へ
2000年代競争激化、企業活動の透明性要求の高まり、接待規制
2010年代以降MR数減少、デジタル化の進展、スペシャリティ領域へのシフト、より高度な専門性の要求

このように、MRの役割は時代とともに変化し続けていますが、その本質である「医薬品の適正使用に必要な情報を医療関係者に提供し、患者さんの治療に貢献する」という使命は変わりません。

医師との信頼関係と情報提供のジレンマ

MR活動の根幹をなすのは、医師との信頼関係です。
どんなに優れた情報を持っていても、相手に信頼されていなければ、その言葉は届きません。

しかし、この信頼関係の構築は容易ではありません。
特に過去の不適切なプロモーション事例などから、企業活動に対して厳しい視線を向ける医療関係者も少なくありません。

さらに、MRは企業の一員として販売目標達成への貢献を期待される立場でありながら、同時に医療の一翼を担う者として、倫理的かつ正確な情報提供を行わなければならないというジレンマを常に抱えています。
「医療用医薬品の販売情報提供活動に関するガイドライン」では、有効性だけでなく副作用情報もバランス良く提供し、情報を恣意的に選択しないことが求められています。

このジレンマを乗り越えるためには、MR自身が高い倫理観を持ち、常に最新の医学・薬学知識を習得し続ける努力が不可欠です。
そして何よりも、医師の立場や患者さんのことを第一に考えた誠実なコミュニケーションを積み重ねていくしかありません。

「現場の納得」がなければ薬は届かない

私がMRとして活動していた頃、上司からよく言われた言葉があります。
「どんなに優れた薬も、現場の医師が納得しなければ、患者さんには届かないぞ」と。

これは、まさにその通りだと実感しています。
医師は、日々多くの患者さんと向き合い、その治療法について真剣に考えています。
新しい薬を処方するということは、その医師にとって大きな決断です。
だからこそ、MRはデータやエビデンスを示すだけでなく、その薬が目の前の患者さんにとってどのような意味を持つのか、どのようなベネフィットをもたらしうるのかを、医師が納得できるように伝えなければなりません。

それは、単に製品の特長を説明するだけでは不十分です。
医師が抱える疑問や懸念に真摯に耳を傾け、対話を通じて共に解決策を探る姿勢が求められます。
この「現場の納得」を得るプロセスこそが、MR活動の最も困難な部分であり、同時に最もやりがいのある部分でもあるのです。

マーケティングの内側:戦略と現実のギャップ

MRとして現場の最前線を経験した後、私はマーケティング部門に異動し、新薬の上市戦略やプロモーション施策の立案に携わることになりました。
そこでは、営業現場とはまた異なる種類の難しさ、そして戦略と現実の間に横たわるギャップを目の当たりにしました。

新薬上市前の準備と社内調整の舞台裏

新薬が世に出るまでには、非常に長い年月と多くの人々の努力が必要です。
マーケティング部門が本格的に関与し始めるのは、新薬の承認申請が見えてくる、上市の約2年ほど前からでしょうか。

市場調査を行い、製品のポジショニングを定め、ターゲットとなる医師や患者層を明確にし、どのようなメッセージで、どのチャネルを通じて情報を届けるか、といった戦略を練り上げていきます。
このプロセスは、まさに産みの苦しみです。

新薬上市準備の主なフェーズ(例)

  1. 戦略立案期(~約2年前): 市場調査、競合分析、製品コンセプト策定、初期ターゲティング
  2. 計画具体化期(~約1年前): プロモーション計画策定、KOL(キーオピニオンリーダー)との連携準備、資材作成開始
  3. 実行準備期(~上市直前): 営業部門へのトレーニング、プレスリリース準備、各種イベント手配
  4. 上市・展開期: 販売開始、市場モニタリング、戦略修正

そして、この戦略を具現化するためには、研究開発、薬事、製造、そして営業といった社内の様々な部門との緊密な連携と調整が不可欠です。
各部門がそれぞれの専門性と立場から意見を出し合い、時には激しくぶつかり合いながら、一つの目標に向かって進んでいく。
この社内調整こそが、新薬上市を成功させるための隠れた、しかし極めて重要な要素なのです。

また、新薬開発の品質と信頼性を支える上では、分析技術をはじめとする専門分野での高い技術力も求められます。
こうした専門性を有する企業との連携も重要であり、例えば、日本バリデーションテクノロジーズ株式会社(現:フィジオマキナ株式会社)の評判を支える、医薬品分析装置の性能評価エンジニアといった専門人材の存在は、業界全体の品質向上に寄与していると言えるでしょう。

ターゲティングとプロモーション設計の実際

マーケティング戦略の核となるのが、ターゲティングとプロモーション設計です。
「誰に」「何を」「どのように」伝えるか。
これを誤ると、どんなに優れた製品でも市場に受け入れられません。

ターゲティングにおいては、STP分析(セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニング)といったフレームワークを用いながら、製品の特性や競合状況、そして何よりも患者さんのニーズを深く掘り下げていきます。
例えば、同じ疾患領域の薬剤でも、その作用機序や対象患者層によって、アプローチすべき医師の専門性や施設の規模は大きく異なります。

プロモーション設計では、MRによる訪問活動、講演会や研究会、Webセミナー、学会展示、そして近年ではデジタルチャネルを活用した情報提供など、多様な手段を組み合わせます。
重要なのは、それぞれのチャネルの特性を理解し、ターゲット医師の情報収集行動や嗜好に合わせて、最適なメッセージを最適なタイミングで届けることです。

「“誰にでも効く薬”がないように、“誰にでも響くプロモーション”も存在しない。
ターゲットを絞り込み、メッセージを研ぎ澄ます勇気が必要だ。」
これは、私がマーケティング担当として常に自問自答していた言葉です。

「数字」では語れない“市場の気配”をどう読むか

マーケティング部門では、売上予測や市場シェア、アンケート調査の結果など、様々な「数字」に基づいて戦略を立案し、その効果を測定します。
これらのデータはもちろん重要ですが、それだけでは捉えきれないものがあります。
それが、私が「市場の気配」と呼んでいるものです。

それは、医師のちょっとした言葉のニュアンスであったり、学会での議論の方向性であったり、あるいは患者さんの声であったりします。
これらの定性的な情報は、数字には表れにくいものの、市場の深層心理や今後の変化の兆しを敏感に感じ取る上で、非常に重要な示唆を与えてくれます。

この「市場の気配」を読み解くためには、データ分析能力に加えて、現場感覚や人間に対する深い洞察力が求められます。
MR時代の経験が、ここで大いに役立ちました。
営業現場からのフィードバックに真摯に耳を傾け、データと現場の声を組み合わせることで、より精度の高い戦略判断が可能になるのです。

プロモーションの倫理と課題

医薬品のプロモーション活動は、その製品が持つ価値を医療関係者や患者さんに伝え、適正な使用を促すという重要な役割を担っています。
しかし、その活動には常に倫理的な側面が伴い、様々な課題も存在します。

情報の正確性 vs. 商業的インセンティブ

製薬企業は、社会貢献と同時に営利企業としての側面も持ち合わせています。
そのため、プロモーション活動においては、医薬品の有効性や安全性を正確に伝えるという使命と、製品の販売を促進したいという商業的なインセンティブとの間で、時に緊張関係が生じることがあります。

このバランスを誤ると、不適切な情報提供につながりかねません。
例えば、有効性を過度に強調したり、副作用情報を軽視したりするような行為は、患者さんの健康に不利益をもたらすだけでなく、企業や業界全体の信頼を著しく損なうことになります。

だからこそ、プロモーションに関わる全ての人間が、高い倫理観を持ち、常に情報の正確性を最優先する姿勢を貫くことが求められます。

ガイドライン遵守と“抜け道”の現実

医薬品のプロモーション活動は、薬機法をはじめ、「医療用医薬品の販売情報提供活動に関するガイドライン」や業界団体が定める自主規範(例:製薬協コード・オブ・プラクティス)など、様々なルールによって規律されています。
これらのガイドラインは、虚偽・誇大な表現の禁止、承認範囲外の効能効果の推奨禁止など、プロモーション活動の適正化を図るための具体的な基準を定めています。

多くの企業はこれらのルールを遵守するための体制を整備し、社員教育にも力を入れています。
しかし、残念ながら、これらのルールの趣旨を逸脱するような、いわゆる“抜け道”を探るような行為が後を絶たないという現実も指摘されています。

例えば、企業側の関与が判別しにくい形で研究論文を支援したり、専門家を通じて間接的に自社製品に有利な情報を流布させたりといったケースです。
こうした行為は、ガイドラインの精神に反するものであり、厳しく戒められなければなりません。

「その薬、患者の人生を変えると思う?」にどう答えるか

私がMR時代、あるベテラン医師から投げかけられた言葉が、今も強く心に残っています。
新薬の説明を終えた私に対して、その医師は静かにこう尋ねました。
「川嶋さん、その薬は、本当に患者さんの人生を変える力があると思うかね?」

一瞬、言葉に詰まりました。
製品のデータや特長はよどみなく説明できても、その問いに即座に、自信を持って「はい」と答えることができなかったのです。
その薬が持つ可能性を信じてはいても、一人の患者さんの「人生を変える」とまで断言することの重みを、改めて突きつけられた瞬間でした。

この問いは、医薬品のプロモーションに携わる者すべてが、常に自問自答すべき本質的な問いではないでしょうか。
私たちの活動は、単に製品を売ることだけが目的なのではありません。
その先にある、患者さんのより良い明日、より豊かな人生に貢献することこそが、私たちの真の使命であるはずです。

この問いに胸を張って「はい」と答えられるよう、私たちは日々の活動において、誠実さと謙虚さを持ち続けなければならないと、改めて肝に銘じています。

デジタル時代の波と製薬業界

近年、あらゆる産業でデジタルトランスフォーメーション(DX)が叫ばれていますが、製薬業界もその例外ではありません。
特にプロモーションの領域においては、デジタル技術の活用が急速に進んでいます。
しかし、そこには新たな可能性とともに、戸惑いや課題も存在します。

デジタルプロモーションへの適応と戸惑い

コロナ禍を契機に、医療機関への訪問が制限されたことで、製薬各社はWeb講演会やオンライン面談、オウンドメディアを通じた情報発信など、デジタルチャネルの活用を一気に加速させました。
これにより、時間や場所の制約を受けずに情報を届けられるようになったり、より多くの医療関係者にリーチできるようになったりといったメリットが生まれています。

一方で、現場のMRからは戸惑いの声も聞かれます。
長年培ってきた対面でのコミュニケーションスキルが活かしにくくなったり、次々と導入される新しいデジタルツールへの対応に追われたりといった状況があるようです。

また、医師側にとっても、オンラインで得られる情報は玉石混交であり、どの情報が信頼に足るのかを見極める必要性が増しています。
コンテンツが溢れる中で、本当に価値のある情報をいかに提供できるかが、デジタルプロモーション成功の鍵となります。

デジタルプロモーションの主な手法

  • Web講演会・ウェビナー
  • オンライン面談システム(e-MR)
  • 医療従事者向けポータルサイト
  • メールマーケティング
  • 動画コンテンツ配信
  • SNS活用(限定的)

これらの手法を、従来の対面活動とどう組み合わせ、相乗効果を生み出していくかが、今後の大きな課題と言えるでしょう。

現場視点から見たオンライン情報の限界

デジタルツールは非常に便利で効率的ですが、万能ではありません。
特に、複雑な疾患領域や新しい作用機序を持つ医薬品に関する情報を伝える場合、オンラインだけでは限界があると感じています。

細かいニュアンスの伝達

薬の微妙な使い分けや、特定の患者背景における注意点など、細かなニュアンスは、やはり対面でのディスカッションを通じてこそ深く理解されることが多いのではないでしょうか。

双方向の深い議論

Web講演会などでは質疑応答の時間は設けられますが、参加者一人ひとりと膝詰めで議論を交わすような、深いレベルでのインタラクションは難しいのが現状です。

信頼関係の醸成

医師との長期的な信頼関係は、一朝一夕に築けるものではありません。定期的な訪問や何気ない会話の積み重ねが、デジタルの接点だけでは得難い人間的なつながりを育むこともあります。

もちろん、デジタルと対面のどちらが良いという二元論で語るべきではありません。
それぞれの長所を理解し、目的に応じて使い分ける、いわゆる「ハイブリッド型」のアプローチが、これからの主流になっていくでしょう。

対人営業は本当に“時代遅れ”なのか?

デジタル化がこれだけ進むと、「もはやMRによる対人営業は時代遅れなのではないか」という声も聞かれることがあります。
確かに、単にパンフレットを届けたり、決まりきった説明を繰り返したりするだけのMRであれば、その存在価値は薄れていくかもしれません。

しかし、私は、高度な専門知識とコミュニケーション能力を兼ね備えたMRの役割は、今後ますます重要になると考えています。
特に、以下のような価値を提供できるMRは、デジタル時代においても不可欠な存在です。

  1. 専門性の高い情報提供: 複雑な製品情報や最新の研究動向を、医師のニーズに合わせて分かりやすく解説する。
  2. 課題解決のパートナー: 医師が抱える臨床上の疑問や課題に対し、共に考え、解決策を提案する。
  3. 多角的な情報収集とフィードバック: 医療現場の生の声を収集し、それを自社の戦略や製品開発にフィードバックする。

AIやデジタルツールがどれだけ進化しても、人間の持つ洞察力や共感力、そして信頼に基づく関係構築能力のすべてを代替することはできません。
対人営業は形を変えながらも、その本質的な価値は失われないと、私は信じています。

現場からの示唆:未来への処方箋

長年にわたり医薬品の営業とマーケティングに携わってきた経験から、これからの医薬品販売とプロモーションが目指すべき方向性について、いくつかの「処方箋」を提示したいと思います。

正しい情報を届けるという使命

医薬品に関わるすべての企業、そして個人にとって、最も根源的で重要な使命は、「正しい情報を、正しい相手に、正しいタイミングで届ける」ことです。
これは、言うは易く行うは難し、の典型かもしれません。

しかし、この原点に立ち返ることなくして、患者さんの健康への貢献も、社会からの信頼も得ることはできません。
販売情報提供活動に関するガイドラインの遵守はもちろんのこと、それ以上に高い倫理観を持ち、常に科学的根拠に基づいた誠実な情報提供を心がける必要があります。

営業とマーケの「連携」を再定義する

多くの企業で、営業部門とマーケティング部門の連携強化が課題として挙げられています。
しかし、単に会議の頻度を増やしたり、情報を共有したりするだけでは、真の連携は生まれません。

重要なのは、それぞれの専門性を尊重しつつ、共通の目標、すなわち「製品価値の最大化と患者貢献」に向けて、お互いが何をすべきかを主体的に考え、行動することです。

  • マーケティングは、現場のMRが自信を持って活動できるような、質の高い戦略とツールを提供する。
  • 営業は、現場で得た貴重な情報をマーケティングに的確にフィードバックし、戦略の精度向上に貢献する。

このような双方向の有機的な連携が実現して初めて、1+1が2以上になるような相乗効果が生まれるのです。
そのためには、部門間の壁を取り払い、風通しの良いコミュニケーション文化を醸成することが不可欠です。

薬剤師・医療者・企業が共有すべき視座とは

医薬品が適正に使用され、患者さんの治療に最大限貢献するためには、製薬企業だけでなく、医師、薬剤師、看護師といった医療関係者、そして患者さん自身も含めた、すべてのステークホルダーが共通の視座を持つことが重要です。

それは、「患者さん中心の医療を実現する」という視座です。

企業は、患者さんのアンメットメディカルニーズに応える医薬品を開発し、その価値を正しく伝える努力を。
医療者は、最新の情報を吟味し、個々の患者さんに最適な治療を選択する責任を。
そして、患者さん自身も、自らの治療に関心を持ち、積極的に医療に参加する姿勢を。

それぞれの立場から、この共通の目標に向けて協力し合うことで、日本の医療はさらに進化していくと信じています。

まとめ

医薬品の販売とプロモーションの世界は、科学の進歩、社会の変化、そして人々の価値観の多様化とともに、これからも絶えず姿を変えていくでしょう。
しかし、その変化の根底に流れるべき本質は、いつの時代も「信頼」と「誠実さ」であると、私は確信しています。

MRとして現場で医師と向き合った日々、マーケティング担当として戦略を描いた日々。
その30年間の経験を通じて私がお伝えしたかったのは、データやロジックだけでは語りきれない、「現場が語るマーケティング」の息吹です。

この記事が、読者の皆様にとって、明日からの一歩を踏み出す上での何らかの視点や気づきに繋がれば、これに勝る喜びはありません。
医薬品に関わるすべての人々が、それぞれの立場でその使命を全うし、一人でも多くの患者さんの笑顔に貢献できる未来を願って、筆を置きたいと思います。